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京都 / ザ・リッツ・カールトン京都 ラ・ロカンダ / シェフソムリエ 安江健太郎さん
× Birdyデキャンタ

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グラス1杯単位のデキャンタージュを可能にした
Birdyは会話を生むツールとしても活躍

モダンなデザインは、和と洋が融合した空間とも相性よし

 今年(2018年)の4月まで1年ほど、ワインを学ぶためイタリアの「食文化学大学」に滞在していたのですが、日本に戻ってきたらソムリエとして日本の魅力をどのように伝えていこうかということを考えていました。そんな矢先のことです。帰国してすぐのタイミングに、Birdyデキャンタの存在を知りました。まず惹かれたのは、モダンでスタイリッシュなフォルム。西洋の文化と、日本の技術が融合している点に注目しました。そんなツールだから、西洋と東洋が融合した当ホテル「ラ・ロカンダ」のテーブルに置いた時、Birdyがアートのような存在になると思ったのです。さらに、その特徴を知るにつれ、このツールがお客様との会話を生み出すに違いないと確信しました。

 Birdyデキャンタを入手してすぐ、泡・白・赤ワインで、グラス提供できるものすべてを注いで実験してみたのですが、特に、若いヴィンテージのワインと相性がいいと感じました。少し硬い印象のワインなどは空気に触れさせることで柔らかくなり、ワインが持つ様々な要素をフワッと引き出してくれるんです。音楽に例えるなら、ソリストのような存在のワインが、オーケストラに変化したような感じでしょうか。また、若いヴィンテージに限らず、ニューワールドやボリューム感のあるワインの魅力も引き出してくれます。オリジナルラベルのハウスワイン「ラ・ロカンダ(写真下・左)」の香りも広げてくれました。

熱伝導のよさを生かしてグラッパやボトルティにも応用

 Birdyデキャンタの使い道は、ワインだけにとどまりません。熱伝導率がいいので、ドリンクを冷やして提供したい時にも活用しています。例えば、樽熟成していないグラッパはキリッと冷やし、あえてドライ感を引き立てて提供することが多いのですが、Birdyデキャンタなら1〜2人分注いで、氷水の中で軽くスワリングすれば短時間で冷却できるんです。20〜30秒ほどで冷やせるので、お客様と会話するにもちょうどいい時間ができますね。あと、メタリックなボトルが特徴のグラッパ「アレクサンダー プラチナム(下写真・右)」とBirdyとのデザインのマッチングが気に入っています。

 また、当レストランではアルコールを飲まれないお客様もいらっしゃいます。そのため、「宇治(同写真・中)」のようなボトルティをワイングラスで提供し、香りを楽しんでいただく提案をしているのですが、Birdyデキャンタに注ぐと、香りが花開くんです。空気に触れ、温度がほんの少しだけ上がるからでしょうね。温度を上げるという点では、デザートワインにも応用できると思います。温度を上げるといっても、温めるのではなく、注いでから5分ほど放置する程度。香りのインパクトを引き出したデザートワインは、そのまま提供する場合もありますし、時には温めたビスコッティを浸して味わっていただくといった提案をすることもあります。

“間”を大切にしたサービスに、欠かせないツール

 ドリンクの味わいや香りを引き出してくれるBirdyデキャンタ。洗って水滴を取ったら、10秒ほどで乾燥させられるので、今のところ少量でメインダイニングが回せています。口径が広く注ぎやすいのも、サービススタッフにとって大きなメリットだと思います。

最も気に入っているのが、お客様との会話を生み出してくれる点。お客様の目の前で、Birdyデキャンタをスワリングしていると、初めて目にするお客様なら、会話を止めてその様子を見ていてくれることが多いですね。そして、「これは何しているんですか?」と尋ねられ、質問に応じて、生産者や素材のことまで説明することもあります。また、ヨーロッパやアジアなど海外のお客様からの注目度も高いと感じています。

私がサービスする際、最も重視しているのが “間”。お客様との接点を大切にしたいと考えています。またイタリアでは、サービスマンは劇場でスポットライトが当たった役者のような存在であれと学んできました。こういったことをどう表現していくか? そう考えていた時にBirdyデキャンタと出会いました。そこから様々なことを試してきましたが、今やサービスに付加価値を与えてくれるツールとして欠かせない存在となっています。使い方によってサービスの幅はまだまだ広がると思っています。現在は、食前酒に提供するカクテルにも応用できないかと、いろいろと実験している最中で、さらに期待がふくらみます。

(2018年8月)


安江 健太郎さん

レストランなどで勤務した後、2014年のザ・リッツ・カールトン京都のイタリア料理「ラ・ロカンダ」の立ち上げスタッフとなる。イタリアピエモンテ州の「スローフード大学」こと「食文化学大学」でワインを学ぶため渡伊。2018年4月に帰国し、ラ・ロカンダのシェフソムリエを務めている。


ザ・リッツ・カールトン京都 ラ・ロカンダ

京都市中京区鴨川二条大橋畔
アクセス:京都市営地下鉄東西線「京都市役所前駅」から徒歩3分
TEL:075-746-5522(レストラン予約直通9:00〜18:00)
営業時間:11:30〜14:30(LO)、17:30〜21:30(LO)
定休日:無休
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