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戦後間もない1951年。BIRDY.の企画・製造・販売を行う横山興業が創業しました。熟練の職人による手作業のマイクロ研磨など、半世紀以上にわたる自動車部品の製造で培った伝統とクラフトマンシップが、BIRDY.の製品に息づいています。
全15件
2013年1月。愛知県豊田市の自動車部品メーカーで、自社技術を活かした独自製品の開発がはじまりました。金型用の研磨技術で内側を磨いた日本酒用タンブラーを試作。期待ほどの成果は得られず悩んでいたところに、あるバーテンダーの方から「カクテルシェーカーで試してみたら?」とのアドバイスをいただきました。そこで市販品の内側を研磨してみると、驚くほど味わいに変化が生まれたのです。それから約40個の試作で最適な研磨法を解明し、ついに製品化にたどり着きました。Made in Japanの技術が息づくカクテルツール。“BIRDY.”というゴルフ由来の名称には、標準を意味するパーよりいいものを、という思いが込められています。
いかにカクテル素材を調和させるか、カクテルメイクを快適にするか。製造上の効率や見た目に美しさではなく、カクテルのために「あるべき姿」をデザイナーと追求。全国のバーでヒアリングし、多くの意見を反映して今までにないデザインが完成しました。たとえばカクテルシェーカーは、内部の凹凸を少なくした流線型フォルムとフラットな底面、指になじむ丸みを帯びたトップが特徴。サイズや重量は既存の製品とあまり変わらないので、違和感なく取り入れられます。どのアイテムも無駄をそぎ落とした、使うほどに愛着のわくデザインです。
一般的なカクテルシェーカーの内部を精密測定器で計測すると、表面が剣山のようにささくれ立った状態であることが判明。これがカクテル素材にダメージを与えていると考え、最適ななめらかさを探るためさまざまな研磨状態をテストすると、完全なフラットではなく、1ミクロン以下の高さと規則的な波形・周期を持つ凹凸が必要と分かりました。さらに、機械など多様な方法を試した結果、熟練した職人による手作業でなければこの研磨は不可能という結論に。生産においては、0.1ミクロンの単位で精度を管理し、品質を維持。BIRDY.は、精緻な研磨により、お酒や果汁といった素材の真価を最大限に引き出します。
BIRDY.は、研磨の最終工程で工業用ダイアモンドペーストを使用しています。コストがかかることもあり、通常のステンレス製品を磨くのに用いられることはありませんが、この工程を省くと理想の仕上がりになりません。高い精度が要求される自動車メーカーのDNAを持つBIRDY.は、カクテルツールの「あるべき姿」を実現するためにこの研磨工程を常識に捉われることなく導入しました。まさに宝石を磨き上げるように、一つひとつの製品を磨き上げています。
シェーカー内部の凹凸は、カクテルの素材や氷に余計なストレスを与えます。Birdyは球体に近づけるようにデザイン、ラグビーボールのような空間でスムーズに材料が混ざり合い、氷の溶け出しが少ないことと相まって奥行きある味わいへ導きます。
従来のシェーカーの多くは、内部が横方向に磨かれています。これに対し、Birdyはシェーク時の液体の進行方向に縦方向に研摩。運動エネルギーがロスなく内部に伝わるため流速が上がり、より調和のとれた一杯となります。
高度な技術を持つ職人が、10回におよぶ工程を経て0.1ミクロンレベルまで精密に研磨。絶妙に残された表面の凹凸によって作り出されるきめ細やかな泡は、まろやかな口当たりを実現し、さらに飲み終わりまで持続します。