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USER'S VOICE
コーヒー業界のトップランナー3人が語る
BIRDY.のポテンシャルと未来の可能性。<後編>
「バリスタとして、BIRDY.製品には語れるストーリーがある」(粕谷哲さん)
「ワインをはじめとする液体同様、Birdyデキャンタを使うとコーヒーも味が変化します。これは確実です。でも、その変化が必ずしもコーヒーにいいとは限りません。フレーバーが立ち上がったり、まろやかになったりする一方で、豆の種類や焙煎、回し方によって、渋みや苦みが強く出てしまったりもします。そのあたりが未知数なので、今はまだ可能性を探っている段階です」
「コーヒーは糖度が1%程度。糖も含めて濃度1.3%が適切と言われているので、基本的にはほとんどが水分です。ですからワインほど劇的な変化はないかもしれませんが、Birdyデキャンタを使うとコーヒーも変化していることは確かです。デキャンタの中でなんらかの化学反応が起きているはずです」
「今回はケニア産キニャリ・エステートの豆をフィルタードリップで淹れたものを試してみました。この豆は本来、パインや甘いブドウのフルーティーな印象があるのですが、Birdyデキャンタで反時計(左)回りに10回ほどスワリングすると、フルーティーな印象がより強く感じられるようになります。後味の酸味も明るくなったし、舌触りもよくなりました。甘味や酸味が強いタイプのコーヒーのほうが、その変化がわかりやすいですね。また香りやフレーバーが閉じてしまいがちなアイスコーヒーにも効果的だと思います」
「デキャンタではないのですが、個人的にBirdyブレンディングタンブラーにも可能性を感じています。水割りにいいと聞いていたので、エスプレッソの水割り、つまりアイスアメリカーノをつくってみたら、これがおいしかったんです。普通につくるアイスアメリカーノより香りも立つし、一体感も出ました」
「通常、コーヒーと水を混ぜると、どうしても水の味が出てしまうのですが、Birdyタンブラーを使ったらコーヒーが水に溶けてくれたような印象でした。オペレーションも楽ですし、もう少しブラッシュアップして、夏向けに出してみようかと考えています」
フィルタードリップコーヒー by Birdyデキャンタ
(レシピ)
コーヒー120ml
1. フィルタードリップでコーヒー(ケニア産キニャリ エステート)を淹れる。
2. 1をBirdyデキャンタに移し、左に10回ほどスワリングする。
3. 2をカップに注ぐ。
アイスアメリカーノ by Birdyブレンディングタンブラー
(レシピ)
エスプレッソ30ml
水120ml
氷4個
1. Birdyタンブラーに水と氷を入れておく。
2. エスプレッソを抽出する。
3. 2を1に注ぎ、軽くスワリングした後にステアする。
「コーヒー自体の成分は変わっていないのに、ここまで印象が変わる」(中山吉伸さん)
「実はもともと工業系の学校を出ていて、しかも研磨は得意分野でした。そんなバックボーンもあって、BIRDY.製品を初めて買った時、その研磨のクオリティの高さに大きな感動を覚えました。ステンレスの質感も理想以上でしたし、コレ来たなって……、一人でニヤニヤしながらテンションがあがってしまいました(笑)」
「Birdyデキャンタに関しては、ペーパードリップ、金属フィルター、フレンチプレス、サイフォンという4種類の抽出法で淹れたコーヒーを飲み比べてみました。あくまで個人的な印象ですが、サイフォンで淹れたコーヒーが最も変化が大きかったと感じました。推測するに、サイフォンで淹れたコーヒーは、液体中に見えない“泡”を多く含んでいるので、その泡がデキャンタ内部の凹凸と触れ合うことで、なんらかの反応が引き起こされているんだと思います」
「もちろん回し方も試しました。反時計(左)回りですと、皆さんがおっしゃるようにフレーバーが明るくなります。ただし回し過ぎると、徐々に苦みやエグ味が出てきます。豆の種類や淹れ方にもよりますが、10〜15回くらいが最適でしょうか。時計(右)回りの場合は、全体にまろやかになり一体感が出る代わりに、フレーバー自体は暗くなります。コーヒー自体の成分は変わっていないのに、ここまで印象が変わるというのは大きな発見でした。その変化をどう使いこなしていくかが、今後のバリスタの課題ですね」
「今回のドリンクでは、コスタリカ産のゲイシャをサイフォンで抽出し、Birdyデキャンタで反時計回りに10回ほどスワリングして、ゲイシャ特有の上品な酸を際立たせました。これにカンボジア産の生ハチミツの甘さを加えることで、全体的なバランスを取っています。コーヒー自体の打ち出しは控えめにして、アフターにコーヒーの味わいをしっかり残すイメージです」
「これまでバリスタはコーヒー豆の可能性を最大限に引き出すことだけに神経を注いできましたが、Birdyデキャンタを使うことで、抽出したコーヒーをどう仕上げるか、という引き出しが増えたと言えるかもしれません。Birdyデキャンタ自体もコーヒー用に開発されたものではないので、一人のバリスタとして、BIRDY.ファンとして、今後の展開を楽しみにしています」
ラム・トニック・ハニー by Birdyデキャンタ
(レシピ)
ラム30ml
サイフォンコーヒー120ml
ハチミツ3tsp
トニックウォーター60ml
1. サイフォンコーヒーを抽出する。
2. 1をBirdyミキシングティンに入れ、氷とともにステアし急冷する。
3. 2をBirdyデキャンタに移し、ハチミツを加え、左に10回ほどスワリング。
4. グラスに3とラム、氷を入れてから、トニックウォーターで満たす。
5. ライムを絞り、飾りつける。
粕谷哲さん
バリスタ兼コーヒーロースター。コーヒー業界に足を踏み入れ約2年で「ジャパン ブリューワーズ カップ(JBrC)2015」を制し、翌年開催された「ワールド ブリューワーズ カップ(WBrC)2016」にて日本人初の決勝進出、およびアジア人初の世界一を達成する。現在は世界チャンピオンとしてアジアや日本各地でセミナーやワークショップを行い、コーヒーの魅力を発信している。
Philocoffea Roastery & Laboratory
千葉県船橋市本町2-3-29
アクセス:JR船橋駅徒歩7分
TEL:0474-60-9400
営業時間:9:00〜18:00
定休日:月曜
https://philocoffea.com/
中山吉伸さん
丸山珈琲プロモーションサポート部部長代理。バリスタ兼サイフォニスト。「ジャパン サイフォニスト チャンピオンシップ(JSC)」にて、2013年、2015年、2018年の3度優勝を飾る。これはJSC史上初の快挙。「ワールド サイフォニスト チャンピオンシップ(WSC)」でも世界第2位に2度輝いた実績を持つ。
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